平成24年9月定例会一般質問

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○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ぜひ、よろしくお願いします。
いじめに関する判例として、またちょっと別のものですが、東京地裁がいじめ対策防止義務というもので、どういった義務を行政が果たさなきゃいけないかということで項目を挙げている判例があったんですが、まずそのいじめが発覚したときの学校の義務として、まず1つ、関係者から事情聴取などの調査をして、事態の全容を正確に把握する。それから2つ目、関係生徒に対する個別的な指導、説誘による介入、調整。3つ目、当事者の所属するクラス、学年、学校全体の問題として生徒に集団討論させ、いじめを根絶する指導を行う。4つ目、関係生徒の保護者との連携による対応。5つ目、被害生徒の登校を見合わせる。6つ、学校教育法の出席停止、または学校内謹慎等の措置。7つ目、学校指定の変更、または区域がえ就学についての具申。8つ目、児童相談所または家庭裁判所への通告。9つ目、警察、その他の司法機関に申告して、加害生徒をその措置に委ねると。
非常に重大ないじめ、犯罪にもなるような重大ないじめの場合の学校のとる義務ということですが、深刻ないじめを知った先生の多くは、生徒に対する指導というものを中心に行うと思います。加害生徒、被害生徒に対する心のケアもそうですが、指導を中心に行っていると思いますが、大きな社会問題になってしまったような事件というのは、やはりそれだけでは十分でなかったということが示されるわけで、裁判所の言うこれらの義務をしっかりと果たしていくことが、さらに深刻化、長期化させることを防ぐ方法ともなります。
また、2007年に文部(科学)省からの通知で、校内での傷害事件を初め、犯罪行為の可能性がある場合には、学校だけで抱え込むことなく直ちに警察に通報し、その協力を得て対応するともあります。生徒を警察に売るのかという批判をする先生も中にはいらっしゃると思うんですが、生徒を売るじゃなくて、生徒を助ける、守るための措置ですので、これは生徒を売るとか、そういう判断をする必要はないと思いますので、危険だな、危ないなと思ったときには、しっかり外部の機関との連携をとっていただきたいと思います。
次に行きます。2010年に西箕輪中でいじめ根絶宣言がなされました。当時の新聞記事を読みますと、2年間の取り組みの集大成、生徒の思いまとまると大きく見出しがつき、生徒会がいじめについての取り組みを開始した2008年といじめ根絶宣言がなされた2010年とを比べるといい状態になっているんだと取り組みの成果があったとコメントが掲載されています。そのときに定めた5カ条は大変すばらしいものですので、ぜひ多くの児童生徒の指針としていただきたいと思いますので、ここで紹介させていただきます。1条、私たちは、いじめや差別についてよく理解するよう努力し、周りにあるいじめに気づけるようになります。2条、私たちは、一人一人の個性を認め、いじめや差別を絶対に許しません。3条、私たちは、毎日明るく挨拶をし、みんなが声がけできる環境をつくります。4条、私たちは、常に相手の気持ちを考えて行動し、温かい言葉で話します。5条、私たちは、どんなときでも助け合い、支え合い、励まし合う友達をつくります。大変すばらしいと思います。
さて、いじめ根絶宣言がなされてからさらに2年たったことし2012年ですが、現在の状況をお聞かせください。先進事例とも言える西箕輪中学校の取り組みは、他の小中学校に波及しているのでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) お答えします。
西箕輪中学校では、2008年、平成20年に生徒会がいじめに関するアンケートを行いました。その結果、全校生徒の4分の1が、いじめがあると感じていると、こういうふうに回答をしたわけです。そこで、いじめをなくすにはどうしたらよいかということを全校縦割りで話し合ったり、あるいは各学級で話し合うなど、2年間にわたって問い続け、あるいは学び続けてきまして、そのいじめ根絶運動の集大成として今、議員にお読みいただきました、いじめに向けた人権宣言というものを、臨時総会を開いて採択したという経緯でございます。
採択した当時の生徒が、この春、全員卒業してしまったというわけで、人権宣言採択をいじめ根絶の始まりにしていこうということで受け継がれて、日常的な取り組みが現在も行われております。生徒同士でいじめや仲間外し等について自由に語り合うということから始まりまして、いじめをなくす上でこの取り組みは大変よい取り組みであるというふうに高く評価してるところでございます。
春富中学校では、これに先立って平成18年に春富中学校人権宣言というものを制定しておりまして、毎年各クラスで、春富中人権宣言を読み合い、そして自分に引き寄せて考え合い、クラスの実情にあわせてクラスごとの人権宣言をつくる、そんな活動も行っております。
こうした取り組みにつきまして、先生方の会合でございます学校人権同和教育研究推進委員会というのがございますけれども、ここで報告を受けまして、各学校でも参考にしながら学習を深めていくように取り組んでいただいているというのが現状でございます。

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