議会改革視察(四日市市、鳥羽市)

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鳥羽市議場

<視察日>
平成25年1月22日 四日市市
平成25年1月23日 鳥羽市

◆三重県 四日市市

1. 議会改革と通年議会について

今回の行政視察は、議会改革先進地として名を馳せる三重県。視察内容は議会改革と通年議会について、ソーシャルメディアを活用した市議会広報について。
初日は、四日市市にて議会改革と通年議会について視察を行った。

市議会モニターの設置

当時(平成16年)の議長の所信表明によりスタートしたという。市内にある「市民センター」から推薦された方、四日市大学学生などへ委嘱し、議会を見てもらったり中継を見てもらったりして意見をいただくというもの。また、年に1~2回程度、議員との意見交換会を開催。

モニターという形で議会を見てもらい、出た意見を議会運営に生かすという。報酬は発生せずに記念品贈呈ということであるが、これはとても面白い試みだと思う。幸いにして、伊那市議会は傍聴人数が他市に比べて多いというが、なかなか傍聴者や、議会に興味を持ってくれている方の意見や感想を多く聴くことは難しい。モニターとして議会や市政を見ていただき、率直な意見をたくさん聴いてみたい。

シティミーティングの開催

こちらも議長(平成18年)の所信表明によりスタートしたもの。スタート当初は年度により対象者を決めて意見交換会を開いていたが、議会基本条例が施行された平成23年以降は、議会基本条例で定めた議会報告会の第2部としてシティミーティングを同時開催することになった。

常任委員会ごとにテーマを設定し、意見交換を行うという形になっている。参加人数が増えていないことに悩みはあるようだが、それでも継続していくということは大切なことだと思う。徐々に理解され、興味が持たれて来れば次第に参加者も増えていくだろう。伊那市で行っている議会フォーラムも、そろそろテーマを決めて建設的に意見交換が行える場にしなければならない。

文書質問

議会の休会時や閉会時にも一般質問と同様に、文書にて質問ができるという。あくまで一般質問を補完するものとして存在するというが、問題(テーマ)によっては執行部から文書にて回答が来るということは非常に意味のある場合があり、これは伊那市でも導入できないか、と思う。乱発してしまえば、一般質問軽視・議会軽視になってしまうが、質問をしたいとき・次の議会まで待っていられないとき・しっかりとした執行部の見解を確認したいときには、文書質問をできる途を作っておくのもよいのではないだろうか。四日市市では23年の議会基本条例施行以降、5名18件の文書質問があったという。

通年議会について

四日市市の通年議会に関しては、今般改正された地方自治法による通年議会ではなく、それ以前から実施していたもの。丸々一年の通年議会ではなく、2週間程度の閉会期間をおいて運用している。

改正地方自治法の通年議会に言う「定例日」を置く必要もなく、実際は従来の年4回の定例会と、必要があるときに臨時会。というものとスケジュール的には変わりがないという。

また、やはり緊急時には市長の招集を待たずに議会主導で議会開催ができるというところでのメリットはなくはない。

では、伊那市で通年議会を導入すべきか否か考えると、四日市市タイプのものであれば検討することもよいかもしれないが、現時点においては、他にやるべきことをしっかりやった後のテーマでよいのではないだろうか、と思う。

三重県 鳥羽市…へ続く

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