学校給食について(平成22年12月定例会一般質問その2)

一般質問内容 平成22年12月8日

  1. 市民会館とのお別れについて
  2. 学校給食について
  3. さらなる歳入確保について

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一般質問の議事録 平成22年12月8日

 次の質問に移りたいと思います。
 学校給食についての質問に入らせていただきたいと思います。この大きな2番の学校給食についてと、次の大きな3番ですが、今これから今後の調査活動に入るために、市や市長がどのように考えているのか、大きな枠でちょっとお伺いしたいということであり、なかなか具体的な質問にならないということをまず最初におわびしながら質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、(1)学校給食の教育的な位置づけについてをお伺いいたします。学校給食は、単なる食事ではありません。学校給食法には、第2条に学校給食の目標としてこれからちょっと紹介しますような目標を達成するよう努めなくてはならないと書かれています。まず一つとして、「適切な栄養の摂取による健康の保持、増進を図ること、2、日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い及び望ましい食習慣を養うこと、3、学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協働の精神を養うこと、4、食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと、5、食生活が食にかかわる人々のさまざまな活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んじる態度を養うこと、6、我が国や各地域のすぐれた伝統的な食文化についての理解を深めること、7、食料の生産、流通及び消費について正しい理解を導くこと」、つまり食育についてかなりボリュームがあって書いてあるわけですが、よく食育というのは知育だとか徳育だとか体育の基礎となるべきものとも言われます。つまり、知能や心や体をつくる一番もとにあるんだという認識をする必要があります。
 このように教育的な観点から非常に重要なものかと思うのですが、その点まず学校給食というものをどのようにお考えなのか、御見解をお願いいたします。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 難しい質問だと思いますけども、今議員おっしゃったように、学校給食の教育的な位置づけというのは、今言った7項目は当然前々から言われております。このことは、学校給食が昭和29年に制定されました学校給食法に基づいて実施をされてきたわけでありますけれども、平成21年度に食育における学校給食の役割の重要性、食育の観点から目標と目的が大きく見直されたわけであります。それが改正学校給食法では、児童・生徒の心身の健全な発達を資するとともに、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断を養う上で重要な役割を果たすために、学校給食を活用した食育の推進を図る。これを目的としているというふうに定められております。学校給食における私の考えというのは大変重要であるということは同じ考えであるわけであります。

○議長(伊藤泰雄君) 3番、二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ありがとうございます。
 その学校給食、やはりさっき言った7項目の中でも、食にかかわる人々のさまざまな活動に支えられていることについての理解を深めるとか流通とか消費について正しく理解をしようということが書かれているわけですが、そこでもやはり前から市長が言われている地産地消というのが非常にかかわってくると思います。さらに、もっと進めて愛知県の今治市なんかは校区内生産校区内消費ということで、学校区の中で生産されたものをその校区内で消費しましょうというくらいに地産地消を進めているというところもあります。
 そこでお聞きしたいのですが、伊那市の小・中学校の学校給食での地場産物の利用割合はどのくらいになりますでしょうか。長野県としては、平成17年で32.7%の割合を平成24年までには40%までに引き上げたいという目標を持っているようなのですが、伊那市の状況をお聞かせください。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 伊那市は、今議員がおっしゃった数字を上回っておりまして、県内産を46%、それから地元、市内に限っていうと26%の野菜などを消費しているという状況であります。

○議長(伊藤泰雄君) 3番、二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 今後それを引き上げていくような方向で進めていこうというものになっているのでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) これは今まで引き上げてきた結果でありますので、今後も継続するということです。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 一応目標値なんかあったら教えていただきたいと思います。

○議長(伊藤泰雄君) 竹松教育次長。

◎教育次長(竹松武登君) これは生産者との関係もございますので、あくまでも高めるということで進めていきたいと思います。具体的な目標値は持っておりませんが、できるだけ地場産の物を使っていくと、これはもう基本的な考え方でこれからも維持をしていきたいと思っております。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) はい、ありがとうございます。
 その地産地消ともちょっとかかわってくるかもしれませんが、(2)のほうに入っていきたいと思います。自校給食のメリット、デメリットについてを質問させていただきます。この件に関しては、ことしの6月議会で宮島議員が質問をしていますが、その際の市長の答弁で給食のセンターか自校方式なのかという点についての質問でございますけれども、「私は常々判断基準の中で伊那市にとってプラスかマイナスなのか、あるいは伊那市民にとっていいのか悪いのかという、それが一つの判断の基準だということと、とらえております」とあります。それはもう全くおっしゃるとおりだと思います。何か新しいことを始めるに当たっては、その新しいことを行うについて得られる利益と行わなかったときに得られる利益、どっちが上なんだろうとこう比較考慮をして考えるものだと思います。ただ、このセンターか自校かという問題はそう簡単ではないため、ここで市としてそれぞれのメリットやデメリットをどのように考えているのかの確認をさせていただきたいと思い、質問をさせていただくものです。
 まず、自校給食のメリット、デメリットについて、どのようにお考えか。よろしくお願いいたします。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 市民にとってプラスかマイナスか、市にとってプラスかマイナスかというのは共通するわけではないと思います。
 今の二つの項目というのは、二律背反する部分もありますので、市民にとってプラスなんだけども市にとってマイナスの部分もあったり、逆もあるかと思いますので、そうした点においてメリット、デメリットについてちょっと整理をしたいと思いますが、まず学校給食の自校方式、メリットとして考えられるのは、各学校ごとの独自の献立を立てることができると。お花見給食とかお月見給食とかありますけれども、そうしたものができるということ、それから身近な地域の食材が利用しやすいという各地区の学校にはいろんな応援をしてもらえる皆さんがいまして、ちょっとたくさんできたからこれ使ってよとか、これ使ってみたらどうかというようなことでいただいている食材もありますので、そうした身近な食材が利用しやすいという。
 それから作りたての食事、給食がとれると。これはすぐ近くにありますので、そのようなことがあろうかと思います。それと給食をつくる様子がわかるという、これはメリットでしょうか。そんなところがあるかと思います。
 そして栄養職員、それから給食調理員と児童・生徒の触れ合う機会があるというようなことがメリットとして考えられます。
 それから自校給食のデメリットとして考えられること、これは各学校ごとの建てかえとなりますので、今現在では西箕輪の給食調理場、それから伊那小学校の給食調理場、これは非常に古くなっておりますので、そこら辺は早く手をつけなければいけないという、そうしたときに各学校ごとの建てかえのために、施設整備には多額の経費が必要であると。これは市にとってはマイナスになろうかと思います。
 それから光熱水費や施設の修繕費などの施設の維持管理費は当然多くなります。それと各学校に栄養職員、給食技師等が必要になりますので、人件費も多額になります。
 それからすべての給食の施設に汚染、非汚染区域の区分、最近ふえておりますけれども、アレルギー専用の調理スペースなどの高い栄養基準を満たすことが難しいということ、それと食材が各学校ごとの配送となりますので、調達する材料のコストが高くついて、給食費の保護者負担が高まるというところがデメリットかと思います。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ありがとうございます。
 そうしたら次に給食センター化をしたときのメリットとデメリットについてもお願いいたします。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) それでは給食センター化をしたときのメリットとデメリットですね。メリットとしては先ほどの裏返しになるかもしれませんが、各学校ごと建てかえた場合よりも建設費は安く抑えられると。
 それから汚染・非汚染区域の明確な区分、アレルギーの専用の調理スペースを確保することができる等で、より高い衛生の水準が確保されるということがメリットとしてあります。
 それから生産供給体制を整備することによって、地域の食材の活用がふえていく。それとセンターの位置づけの中に、生徒・児童、それから地域の皆さんの食の学びに対する場所も考えておりますので、そうした研修を通じての発信ができると、食育に関する教育の充実が図ることができるだろうということがあります。
 それと光熱水費、施設の修繕費などの施設の維持管理費というのは当然安く軽減が図ることができます。
 事務処理、それから集中管理、調理、そうした効率化によって人件費の削減が図ることができる。
 食材をまとめて仕入れることによって、購入単価、食材単価が低く抑えられますので、保護者の負担の軽減を図ることができると。
 そのようなこと、ほかにも災害時に広域における防災の拠点としての位置づけも中には含めることができる。そうしたメリットなどが考えられます。
 それからデメリットとして考えられることという中では、学校ごとの独自の献立を立てること、これはできなくなりますけども、工夫によっては全くできないということもないのかなという考えもあります。
 学校のそれからデメリットとしては、学校栄養職員がセンターに勤務しておりますので、学校との連携、フェイストゥフェイスとしての顔を合わせての連携というのは当然とりにくくなります。栄養とそれから給食指導などの指導がしにくくなってくるかなと、というのが学校ではありますけれども、実は保育園は1人の栄養士がすべての保育園のメニューをつくっておりますので、形としては保育園では既にこのようなことは始まって、前から行われてるということもあります。
 それからデメリットとして考えられることでは、配送の関係などで調理内容、調理時間の制限は当然に発生します。
 よく言われるのが、万が一の食中毒の事故には規模が大きくなるということも言われます。
 それともう一つは配送の経費が必要になるというところがデメリットとして表現できるかと思います。
 以上です。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ありがとうございます。今お伺いをして、それぞれのメリットデメリットを考えるところ、やはり自校方式にするとメリットとしては教育的な面が非常に大きくなると思います。センターにした場合のメリットというのが、多くはコストの面ということで、コストと教育的な観点というところで、大きく市民にとって市にとってどっちがいいのかというところ、非常に難しい選択にはなってくると思います。
 当然、行政としては今財政も思わしいわけではないので、できるだけコスト重視というか、お金のかからないような費用を抑えれるような方法を考えるのは当然のところだとは思いますが、前文部科学大臣の川端議員、大臣当時のときに衆議院の文部科学委員会で発言しているんですが、「学校給食が行政改革と同時並行的に行われているとはいえ、学校給食の本来の目的、果たすべき役割を損ねてまで合理化するというのは本末転倒であることは言うまでもないことでありまして」というふうに発言をされています。その教育的な観点とコストとのバランス、それから比較については慎重に検討していかなければいけないと思います。
 群馬県の高崎市の市長なんかは、学校給食についてもかなり力を入れている地域なんですが、「子供への投資はもったいなくない」と発言をされていて、そこでは「コストを重視して学校給食に対して投資を削っていくとかそういうことではなくて、子供に対しての投資は厳しいけれどもどんどんしていく。将来的にはそのほうがいいだろう」というような発言をしながらやっていって、住民からも住民とか議員からもそれに反対する発言ないというようなことが書かれています。
 そういう市の経済、財政的な状況と、それから学校給食の教育的な観点、非常に難しいと思いますが、いろいろまた慎重にいろんな人の話を聞きながら検討していただきたいと思います。
 小学校は伊那北小学校だったんですけども、そこは当然自校で給食室があって、つくり立ての給食をいつも食べてたんですが、やっぱり給食室がすぐ近くにあって、いつもお昼に給食を取りに行くと、言われたわけではなくて、ありがとうございますとかごちそうさまって自然に言うんですよね。つくってるおばちゃん、こう汗流しながらつくっているのを見ると、これはもう普通に感謝の気持ちは当然出てきますし、どういうふうにつくってるんだろうと、こうのぞき込んで見たくもなるし、その給食のおばちゃんからいろんな話を聞きながらこれは体にいいんだとか、郷土食の話を聞きながらうんといい思い出がたくさんあるんですが、センターになってしまうと、センターを体験したことがないので、何とも言えないですが、時間になると給食が届いてきて、配ぜんは自分たちでやるにしても、つくってる人の顔はなかなか見えなかったりとか、そういうことが多いと思いますので、その辺の自校給食があったときのそのすごいいい思い出がかなりあるので、なくしてほしくないなというのは個人的な思いではあるし、多くの人もそういう思いはあると思いますので、その辺のその市民が納得するだけの理由づけができて初めてセンターとか共同調理のほうに移っていくと思いますので、できるだけ、先ほど言いましたが、多くの人、多くの方面の方の意見を聞きながら慎重に進めていただけたらなと思いますので、よろしくお願いいたします。

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