歯科検診について(平成23年12月定例会一般質問その3)

一般質問内容 平成23年12月7日

  1. 議会のインターネット動画配信について
  2. 学校給食検討委員会について
  3. 歯科検診について

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一般質問の議事録 平成23年12月7日

 次の質問に入ります。3番、歯科検診についてに入ります。不治の病と聞いてどのような病気を思い浮かべるでしょうか。人それぞれ幾つかの病気を思い浮かべるかもしれませんが、虫歯こそ本当の不治の病と言ってよいのではないでしょうか。自然治癒では治らない。ひどくなるのを食いとめることはできるかもしれませんが、自然と治ることはありません。そこで、予防が大切なこととなります。また、単に早期治療というのではなく、しっかりと歯科医のもとにメンテナンスをしていくことが重要となります。6月定例会で乳幼児の歯科保健指導、歯科教育について、市長より、「乳幼児の歯科保健指導というのは、乳幼児健診で行っております。乳歯の生え始めというのは、7カ月ごろのようでありまして、10カ月乳児健診で歯科衛生士によって歯科相談を行っているのが実態であります。虫歯になりやすい1歳6カ月健診、それから2歳児健診、さらに乳歯が20本生えそろう3歳児健診では、歯科医によっての歯科健診と、それから歯科衛生士による歯科保健指導、こうしたものを行っております。」という答弁がありまして、非常にしっかりとした施策がとられていることがわかり、すばらしいことだと思っております。しかし、全国の統計を見てみますと、年齢とともに虫歯に罹患した本数がふえる傾向があります。つまり、小学1年生よりも2年生、小学生よりも中学生のほうが虫歯の有病者率が高くなっていることがわかります。2011版の歯科保健関係統計資料によりますと、平成17年のデータが最新となっていましたが、5歳から6歳のときに虫歯の有病者数が14.6%であったのに、15歳から19歳では73.9%。60歳から64歳では96.8%とのことです。伊那市においても、この数字は別にしていいんですが、このような傾向はありますでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) じゃあ、お答えをしたいと思います。平成22年度、一番新しい学校保健統計調査、これは、上伊那の教育会で調べたデータでありますけれども、伊那市の児童、生徒1人当たりの永久歯の虫歯、この平均は小学生が0.52本、それから中学生が1.17本と、こういう結果でございます。中学生のほうが多くなっているわけでございますけれども、これは、一度虫歯にかかれば治療をしたとしても虫歯の本数の中に入ってまいりますので、ふえるのはやむを得ない結果であろうと受けとめております。しかし、平成12年、ちょうど10年前と比べてみますと、中学生の平均は、12年のときは、2.83本でした。ということで、10年間で去年が1.17ですから、半分以下に減っていると、こういう実態でございます。また、虫歯の全くない児童、生徒の割合を比べてみますと、小学生が10年前が24.5%から34.2%。それから中学生は何と28.4%から、昨年51.6%。大幅に改善をされておりまして、中学生では半分以上の子供が1本も虫歯がないと、こういう状況でございます。これも小学校時代、あるいは乳幼児の時代から虫歯になり、その後生えた永久歯を虫歯にしないような、そういう保育園、学校はもちろん家庭や歯科医師等による保健指導の結果であろうと考えております。したがいまして、年齢とともに虫歯の本数がふえる傾向にあるけれども、しかし、とは言え一概に年齢だけの問題ではないととらえておりまして、一部、歯磨きがきちんとできていない子供への個別指導というようなものが今後、一層必要になってくるかなと、そんなふうにとらえているところでございます。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ありがとうございます。全国でも本当に10年前に比べて今の数値って、すごく改善をしていて、今、おっしゃったみたいに、教育の面も歯磨き指導の方法の向上とか、あと歯科製品、歯ブラシとか歯磨き粉の進歩とか、そういういろんなことで数値はうんと改善してきていると思います。
 ことしの8月10日から歯科口腔保健の推進に関する法律が公布、施行されています。その中で、保健医療、社会福祉、労働衛生、教育、その他の関連施策の有機的な連携を図りつつ、その関係者の協力を得て総合的に歯科口腔保健を推進することとあります。小学校のときは、やっぱり歯磨き指導ってあったなと思います。赤いの塗ったりして、それが取れるまで磨こうとか、給食食べた後、毎日歯磨こうねという話があったんですが、中学校になるとそれ言われた記憶がないんですよ。歯ブラシ持って行った記憶もなくて、歯磨きというの家でしかする習慣はなかったんですけど、改めてお伺いしますが、小学校及び中学校での歯磨き指導、歯科教育はそれぞれどのようなことを行っているか、お願いします。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) お答えしたいと思います。現在、小学校では、学校歯科医による定期検診の結果をもとにしまして、養護教諭とか担任が連携を取り合って家庭の協力を得ながら虫歯の早期治療、これに当たっているということでございまして、ほとんどの学校で歯の衛生週間というようなものを設けまして、学校歯科医やあるいは歯科衛生士等から歯の病気のことや噛むことの大切さ、あるいは健康な歯を保つための正しい歯の磨き方などについて話を聞いたり、あるいは議員おっしゃるように実際に歯磨きの指導を受けたりしているということでございます。また、ほとんどの学校では給食の後、全校で歯磨きをするというふうな取り組みをしておりまして、教師も一緒になって歯を磨いて、よい習慣づくりに努めているということでございます。また、寝る前の歯磨きというのは、一番これ効果があるわけでして、家庭の協力も得まして、その呼びかけ、あるいは連携を図りながら進めている。その結果が先ほどのようなデータになっていると考えております。中学校でも基本的には同じような取り組みをしているわけでございますけれども、やはり、学校歯科医や歯科衛生士等を招いて口腔衛生についての知識や理解を図るというところに重点が置かれてきまして、具体的に歯磨きのやり方をやるというようなところは、小学校の時代よりは少なくなってきているかと思いますけれども、これもやはり、精神年齢の発達ということを考えますと、中学校時代では、やはり虫歯が健康や学習に及ぼす影響等も含めた理論的な理解を深めるということが大切ということで、そういった取り組みが中心になってきていることが一つと、もう一つは、やはり生徒会を含めた保健委員会などを中心とする歯磨き徹底週間を設けたりする、いわゆる生徒会の自主的な活動と、こういうものを助長をしていくという点が小学校と少し違ってきているかなと、そんなふうにとらえておりまして、それが大きな成果を生んできている一つの要因であろうと考えているところでございます。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ちょっと戻りますが、先ほど平成22年の上伊那教育会のデータで、1人当たり小学校で0.52本、中学生で1.17本の虫歯の有病者率というか、お聞きしたんですが、これ全国の平均と比べてどのくらいなんでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) 実は、いろいろデータ調べますけれども、ちょっとこれとぴったりあったデータがなかなかございません。それではっきり申し上げなかったんですけれども、予測でいきますと、決して悪いほうではないと思っております。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) ありがとうございます。ちょっと子供の話から変わりますが、市長にお尋ねしますが、市長は虫歯になったことはありますか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 虫歯の優等生です。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 何が原因だったと思いますか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 母親が悪かったからおまえも悪いんだと聞いてます。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 実際のところ、生まれもっての歯の質とか強さっていうのはあると思うんですが、今、小学校、中学校の話をしてきたんですが、大人についても早期に自分の口の中の状態を知ること、また予防が大切だということから、充実した検診、指導が必要となります。小学生に対して歯磨き指導をしっかりやるというのは、自分自身もそういうことを経験してきているんですが、中学生、高校生、大人になって歯磨きの仕方を教わるって、そうはなくて、でも小学校のころ教わったからいいでしょうって思うかもしれないんですが、人それぞれ歯並びによって歯磨きの仕方って違うらしいんです。こういう歯並びの人は、ここはこう磨いたほうがいいとか、個人差があるようでして、そういう指導を大人になっても受けるのがすごくいいんじゃないかなと思うんですが、伊那市の検診では、伊那市国保特定検診のうちで、伊那健康センターで行う40歳から74歳の検診で歯科検診が加わりました。伊那市として大きな進歩であると評価できるものです。ただ、これが40歳以上の検診、しかも伊那健康センターでの検診のみとなっている理由はどういうものがあるのでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 平成20年度から40歳から74歳までの方を対象とした特定検診は、加入する保険者の義務として実施するように国の方針で定められております。市としては、伊那市国保に加入している方を対象に特定検診をやっているわけですが、この検診を委託している伊那健康センターは、オプションで歯科検診ができるようになってます。このオプションの歯科検診は3,000円かかるところを2,500円を国保で補助して、自己負担500円という、そうした体制であります。それと公民館を巡回して行う特定検診については、延べ60日間ございまして、歯科医師等の職員体制を配置しようと思ってもなかなか困難であるということで、そうした場合には歯科検診というのは行ってはおりません。今後についてですが、歯周病、それから生活習慣病予防の関係というのは非常に緊密であるということを言われておりますので、国民健康保険へ加入している方の多くに健康センターでの特定検診を受診してもらいたいということを考えております。来年度は、歯周病予防パンフレットというのを作成をしまして、先ほど言いましたけども、歯周病と生活習慣予防の関係、そうしたことを重要性を啓発していきたいという考えであります。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 公民館での検診でそういうのをするのが困難というのは、人員的なものなのか経費的なものなのか、どちらでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) これは、歯科医師等の職員体制を確保するというのが難しいということで、人的な配置が難しいという、そういう意味であります。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) わかりました。歯が残っている数、残存指数というそうなんですが、歯の残っている数が多いほど、また歯周病の程度が軽いほど平均診療費、平均医療費が低いと言われてます。中でも糖尿病や虚血性心疾患では、その傾向が強いと言われています。また、虫歯が多い人、歯周病がひどく進んでいる人というのは常につばと一緒に細菌を飲み込んでいるわけなので、それでがんの発生率とかも上がるというふうに最近は言われているようです。オーラルケア社の調査によりますと、歯を定期的にケアする人は、歯をケアしない人に比べて生涯に払う医療費が実に5分の1というデータがあります。逆に言うと、定期的にケアをしていない人は、適正なケアをしている人の5倍も医療費を払っているということになります。歯が多いほどに医療費が低く、歯が少ないほどに医療費が高くなるという傾向があるということですので、医療費を抑えるためにも歯の健康が切っても切れないということになります。しかし、歯科医院での治療を伴わない定期検診、医院によってはメンテナンスとも呼びますが、これに関しては治療ではないので保険適用はされずすべて自費となっています。歯医者によって値段もまちまち、数1,000円ですが、そういった金額になっています。そして、5年、10年と歯医者通いから遠ざかり、気がついたころには大治療が必要になるということもあります。先日、テレビのニュースを見ていましたら、不況による厳しい家計が原因で歯医者に行けないという報道がありました。税金が払えず、保険証を持っていないため歯医者に行けないというのです。痛がる子供にタオルを噛ませ、我慢させているという話もありました。そのようなことがあってはいけないと思います。また、それは行政の力で何とかなることだと思います。まずは、予防の観点から定期検診、歯科医院での定期検診、メンテナンスに対して補助金制度の創設を提案しますが、見解をお伺いいたします。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 議員御指摘の歯の、虫歯のない人の病気にかかる被患率というか、それ非常に低いという話はよく聞いてます。この地域の一部上場企業従業員2,000人くらいいる会社でも従業員全員虫歯はゼロにしようという取り組みをしていて、今、数10名まで下がったという話も聞いております。そうしたことによって医療費が削減できると、ひいては、企業で払う、そして負担するところも削減できるという、本人にとってもみんなにとっていいという、そんな取り組みも聞いておりますので、そのことについては、効果が大変大きいという判断をします。伊那市におきましては、歯科衛生士が非常勤で1名おります。小さい子供から高齢者までの歯科相談というのを行っておりますが、現在、41歳から74歳の市民の皆さんを対象にした3年に1度の受診を進めている肺がん検診とあわせて、歯科衛生士による歯科相談というのも実施しております。ただ、市で行う検診のすべてを対象にするというか、検診というのは延べ258日あるわけでありまして、そうしたところに歯科医師、あるいは職員を派遣する、手配するということは大変困難でございまして、現状では歯科検診を入れることは難しいということであります。それから、長野県が県民の歯及び口腔の健康づくりの推進に関する総合的かつ計画的な施策という、こうしたものを策定中でありますので、県とそれから市と連携協力をして、調整しながら進めてまいりたいと。県の施策というものを十分検討して伊那市の口腔保健に効果あるということになれば、そうしたことも県と歩調をあわせて取り組んでまいりたいという考えであります。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 歯科医院での定期検診などへの補助金については、いかがでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 白鳥市長。

◎市長(白鳥孝君) 現状につきましては、歯周病、それから虫歯の早期予防と対応には歯科検診を年1回受診することが重要であって、伊那市の健康増進計画の中では、歯の健康について位置づけて、60歳で目標としては24本の残存する歯というものを目標に上げております。健康センターの特定検診、それから肺がん検診のときに歯科相談、そして歯の健康についての啓発というのには力を入れてまいりたいという考えでありまして、それを長野県が県民の歯及び口腔の健康づくりの推進に関する総合的かつ計画的な施策、先ほど申し上げましたけども、これを策定中であるということであります。長野県は市町村との連携を図るということでありますので、そうした中で調整をしながら県の施策を十分検討をして、今後の伊那市の口腔保健というのを検討してまいりたいという考えであります。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 今のところは予定していないということで。よく言われるのが、虫歯にならないためにはしっかり歯を磨けばいい。自分でケアをすればいいんだという話もありますが、今、市長がおっしゃったみたいに1年に1回の検診とか、もっと言うと3から4カ月に1回の検診とかいうのが非常に重要だと言われています。ある歯科医が実験を行ったようです。自身の医院の新人歯科医師に100%歯磨きをしてもらうというんです。つまり、歯ブラシだけで歯を磨かせてその後、磨き残しをチェックする赤染めをして、全く染まなければ合格というものをやっているようです。完全にできるまで再試験をやると。100%歯磨きができるようになるまでどのくらいの期間がかかったかというと、実に2カ月もかかったと言います。歯磨きの専門家である歯科衛生士が2カ月もかかったということです。また、別の実験では、ある歯科学生に歯磨きをしてもらいます。完璧に磨くにはどれだけ時間がかかるのか計測をしたのです。結果、平均4時間かかったと言います。歯磨きとはそれだけ難しいということです。だから、どれだけ毎日、毎日しっかり歯磨きをしていてもそのような磨き残しが必ずあって、虫歯や歯周病のリスクからは解放されないということになります。また、むきなって歯磨きし過ぎちゃうと歯茎が傷つけたり、歯が削れてきちゃったりして余計ひどくなっちゃうということもあります。なので3カ月から4カ月に一度の歯科医院で専門家によるチェック、それからPMTCと呼ばれるものがありますが、プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニングというものがありますが、歯科専門のプロが行う機械的な歯の洗浄、清掃が非常に効果が高いと言います。ある歯科医の先生の話によると、毎日20分かけて、歯を朝、昼、晩と磨いて、1年に1回歯医者に行くのよりも毎日適当に歯を磨くんだけれども、3カ月に1回歯医者に行って、そのPMPCというのをしてもらったほうが虫歯や歯周病になる確率は低い、リスクは低くなるということを言っている歯医者さんもいます。そういったことからもセルフケア、もちろん自分で歯磨きすることが大事だということが大前提なんですが、そういった専門家の手助けがなければ今の現代社会では糖質が多かったり、油ものの食事が多いということで、非常に完全な予防というのが難しくなっています。本当に昔は虫歯というのが少なかったようです。やっぱり甘いものとか油ものがふえてきて、歯に付着するものが、歯を侵食するような酸性のものが多くなったり、糖が多くなったりすると虫歯がふえるということになっているようです。ぜひ、歯科医院での検診などに対しての助成金だとか補助金というのを真剣に検討していただければなと思います。特に20代、30代では、歯の健康に関しては、とても意識が高いと言います。全国的に。お年になった人よりも若い人のほうがうんと気にしているようです。歯の健康にしっかりと取り組み、日本一虫歯が少ない、日本一お年寄りになってもたくさん歯が残っている町、そんなふうに目指すことが若者の移住、定住につながるかもしれません。かもですけど、かもしれません。御検討いただきますようにお願いをいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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