平成24年9月定例会一般質問

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○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) そういった面から見ても、先ほどいじめられているというふうに答えた人が結構、人数的にはいるわけで、その前にカウンセラーだけじゃなく先生に相談するとか、もちろん入っていると思うので、ここで1件ということだと思うんですけれども、相談する窓口をふやすという意味でも、カウンセラーのもっと活用というのは大事だし、そういうことを相談できるんだよということをもっと知ってもらうということも必要かなと思います。
また、やはり度が過ぎたいじめというのは、先ほど来言っているように犯罪になるというわけで、そうなると以前から提案させていただいている法教育だとか、犯罪についての教育というのはさらに必要性が増すのではないかと思います。殴る蹴るをすれば暴行罪になります。けがをさせれば傷害罪、自殺を促せば自殺教唆罪、言葉や態度でおどせば脅迫罪や強要罪、カツアゲをすれば恐喝罪、物をとったり隠したりすれば窃盗罪、その他名誉毀損や侮辱罪など、いじめを発端とする犯罪は幾らでも考えられます。
刑法上の刑事未成年とか少年法の関係で全てが常に成立するわけではありませんが、だからといって何をやってもいいわけではないのは当然のことです。法教育は犯罪の抑止効果がとても高いと期待されています。これでいじめや犯罪がゼロになるとは断言できないわけですが、効果が期待されるのであれば実践すべきです。そして、しっかり効果測定をすればいいわけです。
そして、いじめ被害に遭っている児童生徒にとっても犯罪ということになれば、単に我慢をして終わるのではなく、しっかり相談をしなくてはという意識が芽生える可能性もあります。いじめられたときにどう身を守るか、いじめ対策というのはいじめを根絶するのではなく、先ほど触れたように、深刻化させない、隠蔽させない、長期化させないことが大事で、さらには被害者自身がみずからの身を守るためにすべき選択肢をふやすことだと思います。
教育基本法、学校教育法の趣旨からも人権教育が必要であり、改めて提案いたします。いじめ対策という側面から考えても、小中学校への法教育の充実を検討してはいかがでしょうか。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) お答えします。
日本でも国民主権の当事者として国民自身が社会のあり方について権限と責任を持つと、こういうことを体験的に知る機会として裁判員制度が始まりました。法治国家に生きる子供たちとして、発達段階に応じた法教育を行っていくことは大切であり、法務省の出前講座を利用するなど、教育課程編成の中で考えてまいりたいというふうに思っております。
しかし、一方で、法律は人間社会の最小限のルールでなくてはならないわけでございまして、これを乗り越えた高いモラルをまとめて、伸びていく、そんな子供に育っていってほしいと、そんなふうに願っているところでございます。

○議長(伊藤泰雄君) 二瓶議員。

◆3番(二瓶裕史君) 確かに、法律は最低限のルールという、最低限でとどめておかなければいけないということですが、守るべき最低限のものでもあるわけで、そこを越えてしまうようないじめの実態がある、伊那市であるというわけではなくて、全国的に見てあるということは、そこをまず最低限守ってくれるような、道具にでもなる、そういう法教育の充実というのが必要なんじゃないかなと思って改めて提案させていただきました。
また、被害者自身がみずからの身を守るためにすべき選択肢をふやすという観点から、相談先を複数確保することが必要だと思います。一般的にいじめの被害生徒たちが相談する先は、担任の先生、話しやすい先生、保健室、カウンセラー、家族などがあると思います。そこにもう一つ、法律の専門家を入れてみてはいかがでしょうか。学校で定期的に法律相談を実施するのです。川崎市などで行われている、学校関係者を対象とした学校法律相談制度ではなく、学校関係者に加え、児童生徒をも対象とした法律相談制度です。
法教育で得た法知識というのは、ここでも生かされてきます。テレビやニュースで得た、いじめイコール犯罪、イコール警察介入という単純な発想ではなく、法教育から倫理を学び、バランス感覚を養った児童生徒は冷静に専門家の意見を求めることができます。
以前、とある月刊誌で5年ほど法律のコラムを連載していたことがあるんですが、あるときブログで他人の悪口を書いてしまったときというタイトルでコラムを書いたことがあります。そしたら、そのコラムを読んだ中学生から電話がありました。あるインターネットの掲示板に友達の悪口を書いてしまったんだけど、どうしたらよいでしょうかという相談でした。やはり自分の行動が法に触れるということを知って、相談先があればみずから動いて解決しようとするものです。つまり、このような相談窓口というのは、被害生徒だけのものではなくて加害生徒が求める相談窓口にもなるわけです。
実は、学校での法律相談実施はいじめ対策だけではなくて、児童虐待だとか、家庭内の問題、例えば家に借金取りが来て怖いんだとか、公園で放し飼いの犬がいて怖いとか、そういった相談も受ける窓口になるわけです。
御見解を伺います。

○議長(伊藤泰雄君) 久保村教育長。

◎教育長(久保村清一君) お答えします。
いじめをなくしていくためには、やはり今、議員がおっしゃるように、相談しやすい環境を整えてやるということが大変大事だというふうに思っております。
現在、気軽に話せる、そんな相手として、各学校には子供と親の相談員が配置されておりますし、スクールカウンセラーあるいは養護教諭、さらには、先生方はもちろんですけれども、教科を担当しない校務技師や、あるいは給食技師、あるいは事務職員と、こういった方々も意外とそういう情報が入るということ。これは先ほど委員長も申し上げたとおりでございますけれども、そういった門戸をできるだけ広げていくということを大事に考えてまいりたいと思います。
法律の専門家の必要性については、今後、課題としてまた検討してまいりたいと、そういうふうに考えております。

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